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【製品レビュー】ダイソー 500円 MFi認証Lightningケーブルの性能を計測

  2019/06/28

ついに出ました、ダイソーのMFi認証ケーブルです。

▼パッケージ表

500円はダイソーにしては高いですが、MFi認証ケーブルとしては非常に安価です。

▼パッケージ裏

(タップで拡大)

もちろんデータ転送にも、2.4Aでの充電にも対応しています。

 

サイズ・素材

長さは、端子の先端から計測して約102cm。

▼ケーブルの径

3.47mm(純正2.91mm)

Lightningコネクタは比較的に小型です。

▼Lightningコネクタの幅

9.03mm(純正7.66mm)

▼Lightningコネクタの厚さ

6.05mm(純正5.11mm)

純正のケーブルと比較すると多少大きく見えますが、AnkerのPowerLine II+より小型で、ケースと干渉して使えないことはあまりないでしょう。

▼Anker PowerLine II+ > ダイソー > 純正

▼重量

25.7g。

素材はPVC被膜に、アルミ製コネクタカバーとなります。

 

性能

AnkerのPowerPort Speed 5を使用し、iPhone 7を0%~満充電まで計測してみました。

▼充電グラフ

かなり良い線を描いており、急速充電にも問題なく使えています。
iPhone 7ではケーブルの上限まで電流を要求しませんが、iPad Air 2やXRでは2.4Aまで流れるのを確認できています。

負荷装置を使いケーブルの電圧降下を調べてみると、1Aを流したときには5.04V、2.4A時に4.67Vとなっていました。
純正Lightningケーブルも同様に計測してみると1A時に4.99V、2.4A時に4.53Vでした。
充電に関しては純正ケーブルと同等以上の性能を持っていると言えます。

性能評価として転送速度を比較する記事を見かけることがありますが、意味のあるデータだとは思っていないので、うちのサイトでは採用していません。

 

分解

まずは線材から。

▼断面図

▼剥いてみた

網線+アルミ箔+GND1線が周囲に配置されており、アルミ箔の中にVbus、D+、D-の線が通っています。
Vbusの線材は0.07mmx40本で構成。
Apple純正Lightningケーブルは0.07mmx38本ということですから、それよりもほんの少し性能がいいという、先ほどの結果を裏付ける内容になりますね。

引っ張り強度を上げるために内部にナイロンやケブラー繊維を配した製品も多いですが、このケーブルではそうした断線防止の補強は見られませんでした。
ただ被膜が0.94mmとかなり分厚いので、純正ケーブルのようにコネクタの付け根から破れてしまう心配は無いでしょう。

▼Lightningコネクタ部

さすがに100円の商品と比較すると作りが格段にしっかりしていて、強度面での不安はありません。

 

MFiチェック

MFi認証ケーブルというのは、Appleが設計したLightningコネクタモジュールを、FoxconnやJAEといったメーカーが製造し、認証を取得した工場がそれを仕入れて製造するようになっています。

コネクタにはいくつもの種類がありまして、いま出回っているLightningケーブルの多くはC48というモジュールか、E75というものを使っています。(サードパーティーがC48、AppleがE75を使用)
MFi認証ケーブルはすべてAppleの設計したコネクタを使い、Appleの基準をクリアした設計になっています。ダイソーの商品だろうがそれは変わりません。

パッケージには小さく【Item No: AV12110】と記載されており、これはAppleのサイトで確認できるMFi認証アクセサリのデータベース検索結果とも一致します。UPC/EANも一致。

▼MFi Licensed Accessories

Search for Accessories

次に専用のチェッカーで調べたところ、このLightningコネクタはFoxconn製のC48モジュールを使った本物であると判定されました。

しかしうっかりその写真を撮り忘れてケーブルを分解してしまったので、もう一本のシルバーのケーブルを使って撮影しようとしたところ、おかしな点に気付きました。

▼Lightningチェッカー ダイソー

ASICはオリジナルと判定されてはいますが、その他の部分でスコアを落とし、MFi認証ケーブルなのにチェッカーのスコアが100にならないのです。
モジュールはC48のJAE製で2019年1月製造となっています。(分解してしまったほうはスコア100で、C48のFoxconn製2018年11月製造だったと記憶しています。たしか。)
比較用にAmazonベーシックのケーブルも調べてみました。

▼Lightningチェッカー Amazonベーシック

こちらはちゃんとスコアが100になっています。

また別のテスターで簡易MFiテストを行ってみましたが、そちらもFake判定になってしまいました。

▼MFiテスト ダイソー

▼MFiテスト Amazonベーシック

またMFi認証ケーブルはコネクタに専用のチップが内蔵されているため、iPhoneを繋がない状態でも0.42mA程度の微弱な電流が流れ続けているのですが、このケーブルではそれが確認できず、いままで扱ったどのMFi認証ケーブルとも異なっています。

▼ケーブルのみ接続での電流チェック ダイソー

▼ケーブルのみ接続での電流チェック Amazonベーシック

Lightningチェッカーはどこまで信頼できるかという検証は別途必要ですが、それを抜きにしても、その他のMFi認証ケーブルが0.42mAの電流を消費し、ダイソーのMFi認証ケーブルは電流を消費しないという事実は動きません。

赤もシルバーも、JANコードは同一、ロットナンバーも同一の1002BJであり、赤を買えば大丈夫だとも断言できない状況です。

 

総評

性能は申し分なく、急速充電にも安心して使える安価なMFi認証ケーブルですが、当たりを引ける確率は不明です。
ハズレケーブルだったとしても、充電における性能は十分なので、多くの人は気付くことなく使えるでしょうが、ただ充電に使えればいいだけなら100円の商品でも十分です。

ケーブルの耐久性についてはまだわかりませんが、一流どころのケーブルと比較しても太く作られているのであまり不安は感じません。
被膜はTPEではなくPVC素材なので、冬場は固くなります。

これまでの100均Lightningケーブルの特徴であった、片面仕様や電流制限といった弱点は無くなりました。
また、100均製品では20cm~60cmと短いものが多かったので、純正と同じ長さの100cmが安く手に入るのも嬉しいところです。

製品の保証期間が設定されていないのは残念ですが、これは純正ケーブルの1/3以下という価格であるために致し方ないでしょう。(※初期不良に関しては店舗で交換してもらえます)

(当たりが引けるなら)安価なケーブルをお探しの方には、悪くない選択肢だと思いますし、特に車でMFi認証ではないケーブルをお使いの方は、ぜひ500円払ってでもこのケーブルに替えておくといいでしょう。

元々はオススメする記事を書いていたはずなのですが、突然発覚した事実に方針転換をすることになってしまいました。
正常なほうを分解してしまったのは痛いですが、それがあったからこそ気付けたことなので怪我の功名とも言えますね。

 

おわりに

パッケージにMFi認証のマークがあり、Appleのサイトでもその製品を確認できるとしても、本来の基準を満たさないものが混在していた。

このケーブルは、正規のケーブルがパスできるLightningチェッカーとMFi簡易テストをパスできなかった。
そして電流の挙動が正規のそれとは異なるのは、何度確認しても間違いがない。
これを単に不良品とするか、正規のMFi認証モジュールではない製品が混入しているとみるか。
Macお宝鑑定団などは正規のケーブルだと書いていますが、実際にテストをしてみると鵜呑みにはできない結果が出ています。

間違ったことを書いてしまったらメーカーに迷惑を掛けてしまうため、製品について悪い評価を下すのはとても勇気が要るし、この製品について評価するのにも慎重に検討を重ねていますが、検討した結果がこの結論です。

可能であるならば10本とか20本とかの単位で調査をしたいのですが、500円ガチャをそれだけ繰り替えす余裕は持ち合わせていません。
偽物判定された手元のケーブルを分解すれば、本物かどうかの判別ができるかもしれませんが、いまのところ1本だけの証拠物件なので保管しておきたいと思います。

2週間以上前から情報は掴んでいたものの、販売している店舗が非常に少なく、実物を手に入れるまでにずいぶんと時間が掛かってしまいました。家族や知人にもお願いをしてようやく手に入れたものでした。
とても期待していた製品なだけに、このような結論になってしまい大変残念です。

 

使用機材

ミツトヨ デジタルノギス ABSデジマチックキャリパ
高精度ノギス。これがなかったら0.07mmなんて計るのはムリ。最高。

タニタ KW-220
スケール。0.1g単位で量れて、水洗いも出来るので、お菓子作りやパン作りにも重宝します。

Anker PowerPort Speed 5
メインで使用している充電器。QC3対応。

Power-z MF001
Lightningチェッカー。Taobaoで購入したけど、代行業者を使わないと日本に送ってくれないので注意。

AVHzY CT-2
MFiの簡易テストに使ったもうひとつのテスター。MFiの簡易テストはあまり実用的じゃないけど、その他の性能測定では抜群に活躍してくれるやつ。とりあえずこれを買っておくと便利。
MFiテストをするためにはQuick Charge3.0対応の電源が別途必要。

Comment

  1. だち より:

    ケーブル検証参考になります。
    ちなみにダイソー側に問い合わせは行なっているのでしょうか?
    MFI認証されている製品だとAppleに連絡すれば調査が行われたりするんですかね。
    安いので欲しいですが、今のままだと安心して買えませんね

  2. ぴあ より:

    素晴らしい記事です。本当に参考になります。その姿勢にも感服いたします。これからもぜひ続けていただきたく思います。

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