iPhone 15に乗換えるか悩んでいる、15 Proすべきか悩んでいる人に

私が去年iPhone 11の買い換えとして14 Proを選んだ理由のうち、最も大きな理由はDynamic Islandが登場したことですが、1年間使ってみて最も良かった点はDynamic Islandではありませんでした。

まだ買い換えを悩んでいる方や、Proにすべきか無印で行くか悩んでいる方もいらっしゃるでしょうから、Proモデルのどこが良かったのかなどの意見を書いておきます。

Proモデルを選んで最も良かった点

一番の恩恵は120HzのProMotionディスプレイによる目の負担軽減です。

60Hz動作のiPhoneでは文字を拾う速度に描画速度が追いついていませんでした。文字を拾う速度ではなく描画速度に合わせてゆっくりスクロールする必要があったのです。
13 Proと14 Proシリーズで採用されているディスプレイでは120Hzで描画してくれるため今までよりも速くスクロールをしても文字を拾うことが可能になり、情報処理効率の向上と目への負担が和らぎました。
たまに60Hz動作の端末を触ると『処理落ちしてるんじゃないか？』と感じてしまうほどに快適度合いは違います。
それでもリフレッシュレートの不足はまだまだ感じていて、120Hzでも弾くように速くスクロールすると読めなくなります。180Hzや240Hzくらいまでいくと紙のように読みやすくなるんじゃないかと、今後も更なる性能向上は期待しています。

「120Hzは必要か？」と問われたら「必須ではない」と答えますが、「60Hz端末に戻れるか？」と問われたら「戻れない」と返すでしょう。
ただし、ページ単位での描画が発生するKindleアプリのような読書がメインの場合には、そもそも文字が止まっているため高リフレッシュレートの恩恵はありません。あくまでも動いているものが見えやすくなる。
120Hzに対応している音ゲーなんかだとだいぶ楽になるでしょうね。

ついでに14 Proから搭載された常時表示ディスプレイについて書いておきますが、便利ではあるものの必須ではないし画面オフでもさほど困ることはないというのが個人的な意見です。常に時計や通知が確認しやすいのはいいですけどね。

また13 Proでは画面の明るさが最大1,200ニトであったのに対して、14 Proでは最大2,000ニトまで明るくなりました。（これに関しては無印15でも最大2,000ニトになっています）
晴天の屋外でカメラを使う際でも画面がしっかりと見える明るさで、いちいち日陰まで移動してから撮影したものを確認する作業が要らなくなり、体験としてはとてもよくなります。
ただし発熱やバッテリーもちは悪くなるので真夏の晴天下で長時間使用するのはまだ厳しい面もありますがスナップ程度であれば十分。
写真以外でも屋外の利用は楽になります。

買い換えを悩んでいる人の背中を押す

私が11から14 Proに買い換えて良かったと感じるもののうち、もしかしたら120HzのProMotionディスプレイよりもありがたいんじゃないかと考えているのはFace IDの認証範囲が広くなったことです。

新世代になったFace IDのセンサーはかつてのものよりも大幅に認証範囲が広くなり、毎日何十回と繰り返される画面のロック解除が非常にストレスなく行えるように進化しています。（iPhone 13以降でセンサーが変わった）
かつては机の上に置いたiPhoneのロック解除するために、のぞき込むように頭を寄せたり、iPhoneを自分のほうに持ち上げて傾けてやる必要がありましたが、14 Proに買い換えてからは自分が動いたりiPhoneを持ち上げたりすることなくロックの解除が行えます。
これにより、新しいメッセージやメールの通知が届いた際にはiPhoneに視線を向けるだけで何も操作することなくロックが解除されるので、iPhoneに触れることなく通知の内容を確認することができます。（もちろん机の高さや置く位置が影響しますけどね）
めちゃくちゃ快適になったので本当に買い換えて良かった。

眼鏡＆マスク着用時のロック解除も11ではできなかったことですね。これもありがたい進化です。たまに失敗しますが、そういうときってマスクか眼鏡がズレていたりするんで仕方がないかな。失敗のストレスよりは恩恵のほうがだいぶ大きいです。

iPhone 13以降では横向きでのFace IDが使えるようにもなり、三脚固定時でもロック解除がとても楽になりました。横画面で動画やゲームを一時中断したときにも再開が楽ですね。

SNSではいまだにTouch IDを求める声を目にすることはありますが、机に置いたままでも視線を送るだけでロックが解除される体験はFace IDでないと叶わぬものですから、Face IDが世代を重ねたことでAppleがTouch IDではなくFace IDを選んだ理由がユーザーにも明確に伝わるようになっています。体験としてはFace IDのほうが有利なシーンがかなり多い。

Face IDの快適さだけでも11とか12をお使いの方には買い換える価値があるとお伝えしたい。

SE派の人は求めるものが違うのでなんとも言えませんが。

で、Proを買うべきか無印を買うべきか

かねてからの話題であったLightningからType-Cへの置き換わりが全モデルで果たされたわけですが、無印はType-CになってもUSB2.0、ProモデルはUSB 3とかなりの速度差が存在します。
しかし、スマホだけで写真も動画の編集も完結してしまうことの多い今日では転送速度の速さをどれだけの人が必要とするでしょうか。多くのユーザーには影響しない話です。
パソコンでのバックアップももはや少数派でしょうしね。

カメラの性能を重視する人であればProモデルを選択する理由がいくつもあります。ProRAWとかProResとか望遠とかです。
大量のProRAWとか動画をパソコンに転送するには速い速度が必要になるのでUSB 3なProモデルが必要だったりもします。
ギークたちには速度が必要なので結局はProモデルです。Wi-FiもProモデルだけWi-Fi 6Eになってますしね。

一方で14 Proの目玉機能であったクアッドピクセルセンサーを活用した2倍ズーム機能が無印15にも搭載されております。これがまた非常に良くできていて無印15でも使えるのはなんかちょっと悔しいくらいのものですので、無印でも十分満足できるカメラ性能になっているはずです。これを使いだすと1倍で撮るよりも2倍で撮るほうが良い場面が結構あるというのがよくわかると思います。
Proモデルの望遠3倍とかPro Maxの5倍ってのはあれば便利ですけど、結局メインで使うのはメインカメラ（画質の面でも）なのでそこまで必須ではないよなと。あれば、うれしい。

問題はProモデルのみに新規追加されたアクションボタンです。
ミュートスイッチの置き換えとしてだけでなく、そこに様々な機能を割り当てることができる点が素晴らしい。Apple Watch Ultraと同じですね。
物理ボタンにショートカットの実行まで割り当てられるっていうんですから、好きなアプリを起動する専用ボタンとして使うのもいいですし、もっと複雑なアクションを呼び出してもいいですね。夢が膨らみます。

細かい違いはまだ色々とありますが、私がProモデルか無印かで悩むポイントとしては、アクションボタンの有無、120HzのProMotionディスプレイの有無に絞られます。
まぁ目の負担を減らしたい人はProモデルにしとくといいですよ。TwitterなどのSNSをスクロールするときにだいぶ楽になりますから。あとは財布と相談で。