純正ミュージックアプリの使い勝手に満足できない人のために、Cs Music Player(旧Cesium)やEcouteといった純正ミュージック代替アプリがあります。
これらは主にUIの違いがメインで、音楽再生は標準のAPIを使ってOS側で行うため、音質としては純正のものと変わりませんが、操作性や見た目にこだわるユーザーからの支持を集めていました。
今日紹介するMarvis Proは一画面当たりの情報量を自分好みにカスタマイズできるのが非常に嬉しいアプリです。
▼純正とMarvis Proの比較
一目でわかるこの情報量の違い!これがMarvis Proの良さです。
特徴
・柔軟なカスタマイズ性
・ジェスチャ主体の操作
・Apple Music対応
今回はこの3つに焦点を当てて紹介していきたいと思います。
柔軟にカスタマイズ可能な画面
初めて触ったときはちょっと戸惑うほどカスタマイズできてしまうことに驚かされました。
リスト表示だけでなく、アルバムジャケットをタイル状に並べることもできるし、その大きさも1列から4列まで変えることができる。
▼アルバム一覧
表示設定は細かくカスタマイズが可能。
▼表示設定
(タイル状に並べる設定はCOVER FLOWですが、かつてiTunesが採用していたCover Flowとはまったく違うものなのでちょっとややこしい)
何よりも嬉しいのは画面ごとにそれぞれの設定を変えられること。
アルバムは一覧はタイル状に並べたいけど、アーティスト一覧ではリスト表示にしたい。
アーティストを選択したら、今度はリリース順でアルバムを並べる、といったことが出来てしまう。
▼アーティスト一覧→リリース順アルバム
このアーティスト単位でリリース順のソートができるのが非常に嬉しい機能で、ライブラリが肥大化しがちな音楽マニアにとっては、タイトル順でソートするよりもずっと管理がしやすい。
年代を順に追いかけて聴きたいなんて人にはまさにうってつけの機能です。
「そんなの純正ミュージックでも出来るじゃないか!」と言われそうですけど、純正はリリース年でソート、Marvis Proはリリース年月日でソートをするので、複数の作品を同じ年に発表している場合に違いが出るんです。(※年月日でのソートが使えるのはApple Musicのデータのみ)
▼純正ミュージック ←|→ Marvis Pro
White Musicが1stアルバムなのに、純正ミュージックでソートすると同じ年にリリースされた2ndのGo 2が先になってしまう。
ちょっとした違いに見えますけど、これがものすごく大きな違いです。
もちろん並べ方はその他にも柔軟に変更できますので、自分に合った管理方法を模索している人にはオススメ。
また横画面表示にもダークテーマにも対応しています。
ジェスチャ主体の操作
Marvis Proは純正ミュージックアプリのような画面下部のタブバーを採用していないため、画面がスッキリしています。
代わりに左から右へのスワイプで呼び出すサイドバーを使って画面を切り替えます。
▼サイドバー
これがすべての操作の基本。
Haptic Feedbackによって操作している感触があるため気持ちがいい。
プレーヤー画面では左右スワイプで曲送り・曲戻しが可能。
下スワイプでミニプレーヤーに切り替えになります。
このあたりは標準的な操作なので戸惑うことはないでしょう。
プレーヤー画面を上にスワイプするとさらにボタンが現れ、リピート、シャッフル、歌詞、キューが表示されます。
歌詞は曲データの中に埋め込まれたものを表示するだけでなく、外部サービスのMusixmatchを使ってカラオケのように自動スクロールする歌詞を呼び出すことができます。
▼プレーヤー画面から歌詞表示
ただ歌詞を表示するまでに3アクション必要なので、もうすこし手軽に呼び出せるようになるといいですね。
Apple Musicから公式に提供されている歌詞は表示できませんが、APIが提供されていないためでアプリ側の問題ではありません。
Appleがいずれ開放してくれることを期待したい。
Apple Music対応
Marvis ProではApple Musicを検索したり、ライブラリに追加したり、プレイリストをストリーミングで流すことができます。
▼Apple Music表示例
これまでのサードパーティーアプリではライブラリに追加したものを再生できるだけでしたが、Marvis ProはApple Musicにある楽曲を探したり、iPhoneに追加したりと、より深く活用することの出来るアプリになっています。
ただし純正と同じ作業がすべてこなせるというわけではなく、ライブラリからの削除や歌詞まわりなどでは純正アプリと併用して使う必要はあります。
高いカスタマイズ性はApple Musicでさらに便利さを増します。
ホーム画面にはランキングやニューリリースの一覧を表示させることが出来ますが、これもカスタマイズ可能で、どの項目を見たいか、そしてどの密度で表示させるかを事細かに設定できます。
純正ミュージックだとあまり多くの情報が一画面に収まりませんが、Marvis Proは見たい情報を選んでギュッと詰め込んだ表示が可能です。
▼見出しを長押しで各項目ごとに設定できる
チャートや注目トラックなどの地域設定を日本以外にできるのもいいですね。
再生履歴を記録するサービスのLast.fmにも対応しているのも嬉しい。
ちなみにNowPlayingのツイートはこんな感じで、Apple Musicへのリンクが付きます。
#NowPlaying Yo La Tengoの“You Can Have It All”#marvis_apphttps://t.co/wuJGwTjOvI pic.twitter.com/oMyL7NMQQr
— maxi (@rel0005) 2019年6月28日
おわりに
久しぶりのアプリ紹介記事になります。
この記事を書くことになったのは、開発者さんからコンタクトがあったからです。
「アプリを日本語化したので紹介記事を書いてほしいんだけど、どうすれば依頼できる?」と。
そういう依頼は多いけど、まず書くことはありません。
自分で書きたいなと思えるようなアプリでないと、自分の時間を削ってまで書けないですからね。
Marvisのことは以前から触っていたけど、Marvis Proとして生まれ変わっていたのは知らなかったので、返事をする前にちゃんと購入して触ってみました。
そうしたらずいぶんと良くなっていて、これなら記事を書きたいなと。
依頼を受けるための条件は無し。
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Marvis Proは純正ミュージックアプリでは満足できない音楽マニアにオススメしたい、高いカスタマイズ性をもつアプリです。
純正ミュージックのようにタブバーを使ったUIでは、自分のいる場所がどのタブを開いているかがわかりやすく、また移動するのも簡単ですが、タブ数が5つを超えると扱いが面倒になります。
Marvis Proはジェスチャ操作を取り入れることで、かつてのMarvisと比較して画面がスッキリ整理されました。整理されたおかげで情報密度を上げてもゴチャゴチャした印象は受けません。
ただし副作用も出てしまった。
Marvis Proの横スワイプジェスチャはすべての起点になる基本操作ですが、いま自分がどこいるのかを意識して操作するのが必要になってしまったのです。
(例:アルバムを開くとモーダルウィンドウだけど、プレイリストはプッシュ遷移。モーダルウィンドウでは横スワイプでサイドバーを呼び出せない。アルバムを開いたときのモーダルウィンドウは横スワイプで閉じられるが、フルプレーヤーのモーダルウィンドウは横スワイプで閉じられないなど、横スワイプがどの場面でどう使えるかを判断する必要があるなど)
いまどの画面を開いているかを何も考えずに操作していると、ちょっと戸惑うことがあります。
そういう点では習熟コストが少し高くなっているので、今後改良を重ねていって、認知負荷を下げて気持ちよく触っていられるアプリになっていくことを期待したいと思います。
この記事はアプリ紹介がメインなので、もっと突っ込んだ話は省いています。
一般受けしなさそうな内容はまた別の記事で。
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かつては無料アプリが存在していたMarvisですが、4ヶ月前に有料のMarvis Proのみで再出発をしています。
有料アプリの多くがフリーミアムやサブスクリプションに移行する流れなのに、なぜあえて有料アプリのみで勝負をすることにしたのか開発者に聞いてみたところ、無料アプリが生き残るためには広告が必要だけど、ユーザーは広告を嫌っていることをひとつの理由として挙げていました。
たしかにアプリにお金を払いたくないユーザーというのは多くいて、広告解除の有料選択肢が提供されていたとしても、支払うことはせず広告に文句を付けるということがある。
そうしてアプリの本質とはかけ離れた低評価の文句を書かれてしまうのは、人気アプリでもない限り生き残るのが難しくなってしまうので、気持ちはとてもよくわかります。
いまのアプリ業界で有料アプリがいろんな人に認知してもらったり、使ってもらうには高いハードルがあるけれど、お金を支払う価値のあるアプリを作るという考えを私は支持しているし、応援していきたいと思います。
気になった人はぜひMarvis Proをチェックしてくださいね。
いいアプリの紹介、ありがとうございます。
良質なアプリを紹介していただきありがとうございます!
久しぶりに触っていて感動するアプリに出会えました。
記事を見てビビッと来たので購入しましたが大正解でした!
個人的な純正アプリの不満点をすべて潰してくれたアプリです。
UIも練られていて触るのが楽しいです。
あとはiOSがコントロールセンターから飛べるように設定できる自由度さえあれば完璧なんですけど難しいでしょうね
正確かつ中立的なレビュー、いつも大変参考になっています。
これからも無理のない範囲で頑張って頂けると、いち読者としてはありがたいです。
何このアプリ…ヤバい…(語彙力 笑)
どうも痒いところに手が届かないよなー純正って、といつも思ってたところでコレ。¥480 なんて安い安い!即購入でした!
これまでもそうでしたが、できること、できないこと、公正に書いて頂けるのですごい参考になります。
また面白いアプリあれば紹介お願いしますー(‘ω’)
Apple Musicのためにアプリの切り替えをするのが面倒に感じ純正で我慢していたので、丁度良い記事でした。早速購入しました。