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障害者とスマホ技術

 

便利な技術は視点を変えると、障害者の支援にも結び付くというお話。

JINS MEME

発表時には話題になったものの、しばらく音沙汰なく話題が沈静化しているセンサー付メガネJINS MEMEですが、やっとSDKが公開されました。
取得できるデータなどがいろいろ公開されていますね。
JINS MEME(ミーム) DEVELOPERS | JINS – 眼鏡(メガネ・めがね)
上下左右の視線移動やまばたきの強さ、まばたきのスピード、ヨー・ロール・ピッチなどがリアルタイムに検知できるそうです。

価格は10万以下になりそうだということなので、おもちゃにしては高い感じがありますが、これの可能性ってガジェットオタというよりは四肢に障害があるような方にとって特に大きな福音をなるだろうなと。
まばたきや視線だけでアクションを行える器具が10万で手に入ると考えれば恐ろしい価格破壊です。

もちろん対応アプリがなければ使えませんけど、書籍ビュワーなんかが対応すれば手足が動かせなくても読書が楽しめるようになる。

 

視線操作とアプリの可能性

ComicGlassはマイクでページ送りができるんですけど、これは実際に体の自由がきかない方が活用されているそうでして、これがもしJINS MEMEにも対応したらさらに自由度が高い操作ができるだろうなーと想像するわけです。

まばたき操作は書籍ビュワーとの相性が悪くない。
視覚は操作者にとって重要なインプットであり、ゲームなどでは目をつぶることが操作を困難にする要因でしかありませんが、こと読書に関しては主要操作が前後ページ移動というシンプルなものである点、ページ送り自体を見ている必要がないという点で向いているんじゃないかと。
0.5秒目を閉じる・開けるの間にページが切り替わるというような仕組みなら、音で操作するよりはずっと正確に扱えそうです。

徳洲会の徳田虎雄 前理事長なんかは眼球の動きだけで会話をしてましたが、それを読み取るサポート役が必要でした。それがJINS MEMEで補えるようになってもおかしくない。

四肢が不自由な方と言えば思い浮かぶのはホーキング博士。
彼は頬部分のセンサースイッチで操作をし、キーボードアプリSwiftKeyのエンジンを使った入力補佐で効率的に会話ができるようになったそうですが、これもIntelなどのサポートがあって実現したこと。まだ一般人には難しい。
インテル、S・ホーキング氏の新たな意思伝達装置を開発 – CNET Japan

Stephen Hawking – the tech helping him talk and write revealed

SwiftKeyは正確なタイプをしないでも、キーの位置関係から入力しようとしている正しい単語を推測するというもので、現在日本語でのテストも行っています。

SwiftKeyのライバルであるキーボードアプリFleksyはまだ実装段階にはないようだが、日本語対応も念頭にあるようだ。
Language Support – Fleksy

そのFleskyはもともと視覚障害者向けのBlindTypeが根っこにある。
視覚障害者用キーボードアプリBlindType(Googleが買収)の後継FleksyがiOSでデビュー, 健常者も使える | TechCrunch Japan
これらの障害者に意識のある入力補助アプリが視線での文字入力にも無関心でいるだろうか。

見えない人でも使えるための技術は、見るだけで使える技術にも応用できそうだというのだから面白いよね。

もちろんBlindTypeを買収したGoogleもそうだ。
彼らは眼鏡型デバイスをすでに持っている。
ガジェットとしてのGoogleGlassには懐疑的だが、障害者支援デバイスとして舵を切ったらどうだろうか。

JINS MEMEの登場をきっかけに、なにか新しいものが生まれてきそうで楽しみ。

 

視覚障害者とTTS(TextToSpeech)

もうひとつ大きなトピック。
視覚障害者等へのテキスト化データ提供に向けて日本点字図書館と共同で実験を開始します|国立国会図書館―National Diet Library
国会図書館の持つデジタルデータを読み上げ可能なテキストDAISY形式で提供しようという試み。
視覚障害者向け電子書籍が拡充されそうだ。

現在国会図書館で公開されている電子書籍・電子雑誌は28万件近くに上るが、PDF形式で、文字データはすべてに含まれているわけではなく、一方テキストDAISYでの提供ということは、読み仮名つきのテキストデータで提供するということなので、そう簡単に増やせるような話ではない。
しかしDAISYフォーマットがEPUBに取り込まれるという注目すべき流れがありまして、これはとても大きな変化になりそう。

そのあたりの流れはこちらが詳しい。とてもいい記事。
「DAISYとEPUBは読書のユニバーサルデザインをどう実現するのか」

DAISYフォーマットというのは、障害者支援目的でしか扱われないが、EPUBはもっと広く使われるフォーマットだ。
国際的に標準化が進むEPUBなら対応アプリがたくさん期待できる。

読み上げアプリだとVoice Dream Readerが素晴らしい品質で、EPUBにも対応している。
このアプリがすごい No.012 Voice Dream Reader | reliphone
日本ローカルの青空文庫フォーマットに対応してくれるとは思えないが、読み仮名つきのEPUBなら期待ができるんじゃないかな。
現状でDAISYにも対応しているんだけど、そもそも健常者がDAISYの本を手に入れるのは難しいし、数も多くない。

このあたりがEPUB化と国会図書館の参加でもっと活発になればと願います。
DAISYは障害者向けのものでしかないが、読み上げに適したEPUBという形で広まれば、健常者にとってもオーディオブックとしての利用が促進されるのではないだろうか。
障害者にも健常者にもメリットのあることであれば、さらに広まっていくことと思う。

さて、テキストDAISY化には青空文庫と同じくボランティアの存在が欠かせない。
クラウドソーシングの形をとった、ノルマのない校正作業者を募集しているので興味がある人はぜひ参加をしてください。
2015年度も実施「アクセシブルな電子書籍製作実験プロジェクト」参加者募集中!|図書館からのお知らせ|日本点字図書館

 

障害者と声

視覚障害者を支援するものでもっとも成功しているアプリはBe My Eyesだろう。

Be My Eyes – helping blind see

Be My Eyes
評価: 5(13件)

  
ss1

これは健常者が視覚障害者のカメラを通じて見えるものを、言葉で相手に伝える。
あなたがかわりに目となって手助けを行うアプリだ。

見えるものを伝えるくらいなら専門知識はいりません。

これは特に新しい技術ってものでもないんですけど、ボランティア参加への心理障壁を下げて、カジュアルに手助けが行えるってのがいいですね。
参加者はすでに20万人近く。クラウドソーシングなボランティア。

テクノロジーが人をつなげて、特別な知識が無くてもだれかの役に立てるということを教えてくれるいい例です。

さて、視覚障害者は誰かに助けられるだけじゃなく、逆に声で誰かを助けることもできるんじゃないか?
例えばUmanoというニュースアプリでは海外のニュース記事が音声で聞けるということで人気を集めています。

Umano : ニュース朗読

SoThree, Inc.
評価: 4.5(569件)

  
ss1

文字情報が音声に変わる、それだけで十分に価値は生まれるんです。

この記事を書き始めるまで知りませんでしたが、視覚障害者向けにiOSやMacで使える点字デバイスがあるそうでして、それで文字情報を読むことは可能になるはず。
HumanwareHumanware – Brailliant BI 32

こんなデバイスがあったとは!
Apple – アクセシビリティ – iOS – ブライユ点字ディスプレイ

メールした文章が音声になって送り返されてくる。
障害者の雇用促進にそういったビジネスがあってもいいと思うんです。
私が考えつくってことは、きっともうあるんでしょうけど。

 

まとめ

という感じで、新しい技術が障害者に対してどう役立つだろうかというような話をだらだらと書いてみました。
まぁ門外漢なのでいろいろとツッコミどころはあると思いますが、普段興味のない分野でも掘ってみるとなかなか面白いものでしたね。

そういえばAppleのサイトに障害者向けのアプリが紹介されてるのも知りませんでした。
Apple – アクセシビリティ – 他社製アプリケーション
いろいろ見ているつもりでしたが、まだまだ知らないものがあるもんですね。

ちなみにBT点字デバイスは20万30万は余裕でします。ひぃ。

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