iOS 12 ファーストインプレッション

新しいiOSのメジャーアップデートがリリースされました。
とても良いです。
ソシャゲやってる人以外はアプデしましょう。

 

ショートカット

変更点はいろいろとありますが、特に大きな変更としてはAppleが買収したアプリのWorkflowがショートカットという名前に変更され、よりiOSのシステムに深く関われるようになったという点です。
Siriから特定のワークフロー(これからはショートカットと呼ぶべきでしょうね)が呼び出せるようになったり、サードパーティーのアプリでも特定の作業を呼び出せるSiri Shortcutsの登場によって、作業効率が大幅に向上するだけでなく、音声コントロールの範囲が拡大しました。
これは視覚障害者にとって多くの恩恵をもたらすことになります。
作業の効率化のことばかり考えていたけれど、じつはそれだけにとどまらない、Workflowの買収でiOSが手に入れたものは想像よりもずっと大きかったのかもしれない。
今後HomePodやHomeKitによるオートメーション化にも寄与するでしょう。

WorkflowにはDraftsやTweetbotなど、特定のアプリのみアクションが用意されていましたが、Appleに買収された以上はもっとオープンな存在になる必要があった。
組み込まれたアクションを便利に使えるだけでは、一部のアプリが優遇されていることになってしまうからです。
すべてのアプリがアクションとして使えるようになるためには、Workflow側が別個に対応して組み込むなんてことをするのでは手が足りなくなるので、各アプリ側で特定の作業をモジュールとして組み込めるようになるのではないかなんて予想を以前に書いたけれど、それに近いことになりました。

Workflowのように作成したショートカットをランチャーアプリに登録する機能は無くなってしまったようですが、共有リンクを取り込める機能をランチャーアプリ側で実装することで同じようなものは実現可能でしょう。
ショートカットの共有リンクはworkflow.isのドメインから、https://www.icloud.com/shortcuts/~に変わりました。これを書いている時点ではまだエラーで機能してないようですけど、Apple配下のドメインに変わったのは良いですね。(実はworkflow.isってまだAppleの所有物にはなってないんですよ)

今後、さらに少しずつでもシステム領域でいじることのできる箇所が増えていくことを願いたいですね。
Siri Shortcutsにしたアプリはガンガン増えているので、これから毎日が楽しみです。

初めてWorkflowのプロトタイプを見たときの驚きと感動はいまも覚えています。

この動画がすべての始まり。
まだ十代の学生だった彼らの会社が、数年後にはAppleに買収され、iOSに深く組み込まれるだなんて想像もしませんでした。
リリースされる前は「審査に通れ、審査に通れ」と願い、アップデートのたびにヒヤヒヤしていたのが嘘のようです。

これを作り上げ、Appleの社員となったAri Weinstein、Nick Frey、Conrad Kramerたちはまだ二十代前半。
Ariなんて13歳のころにはiPhoneの脱獄ツールの作者だったんですからね。
まさにサクセスストーリーです。見ていたこっちの胸も熱くなります。

 

スクリーンタイム

どれだけの時間、どのゲームで遊んでいたか、Twitterをしていたかなんて情報が一覧で見れちゃいます。
複数のデバイスをまたいでも使えるのがまたいいですね。

アプリの使用時間を制限したりもできるので、スマホ依存をコントロールする一助となるでしょうか。
先日YouTubeアプリにも似たような機能がつきましたね。

 

バッテリーの状態

iOS 11から長らくベータだった『バッテリーの状態』が正式版となりました。

バッテリー残量の変動がグラフ化されており、より視覚的にバッテリー管理が行えるように。
一日のうちでどの時間帯にもっとも消費しているかをつかめれば、充電しておくべきタイミングというのも学習できるでしょう。

バッテリーの寿命を判断する『最大容量』については、その正確性に疑問を持っていますが、ベータから判定基準が変更されたということはなさそうです。

 

スペースキーの長押し

3D Touch非対応の機種でもキーボードのスペースキーを長押しすることで、自在にカーソル移動ができるようになりました。
地味だけどべんりですね。

iPhone 6s以降の機種でも設定から3D Touchをオフにすることで体験することができますよ。(コントロールセンターの長押しなんかもそれで体験できる)

 

ARKit 2

これもでかい。

いままでARKitってあんまり実用されてこなかったと思うんですけど、ARKit 2からはその機会が格段に増えるはずです。
3Dのオブジェクトをアプリに依存せず共有できるクイックルックという機能が追加され、SafariやSNSで共有された3Dモデルを簡単に読み込んで表示できるわけです。

下のリンクからどんな感じか試せますので、アップデートしたひとはぜひ!
https://developer.apple.com/jp/arkit/gallery/

これからのWebカタログがどんどんとこれに対応していけば、自宅にいながら実物のサイズが手に取るようにわかる時代が来ます。
いままでもIKEAのような大きなところはAR対応していましたけど、それがその他の業種にも大幅に拡大していくでしょう。

3DスキャンもiPhoneで、なんて時代ですからねぇ。
いまは容量的な問題があるでしょうけど、いずれファッション業界の洋服も3Dカタログになったりするんでしょうかね。

Apple純正のメジャーアプリ『計測』も追加されましたが、これも非常に実用的。
家具・不動産業界関係者にとってARKitは本当に神機能だと思います。

 

パスワード自動入力

サードパーティーアプリを使ってパスワードを管理している場合、iOS 11まではExtensionで1Passwordなどを呼び出して使う必要がありましたけど、12になってからはExtensionで呼び出す必要がなくなりました。
これまでもパスワード入力欄をタップするとiCloudキーチェーンでのパスワード自動入力が可能でしたが、そこで1Passwordを選択できるようになっています。

これがでかい。これだけでもアップデートした価値があるってもんです。

これを有効にするには、1Passwordなどのアプリ側でも設定が必要です。1Passwordの場合はアプリ内の設定を開き、Password Autofillを選択し有効にしてください。

 

応答性能の向上

カメラやキーボード、アプリの起動速度が向上するとWWDCで発表されていましたが、これが実際に素晴らしく快適になりました。
バージョンがアップするたびに機能が追加され、古い端末での動作が悪くなると言うのが常でしたけど、今回のはキビキビとした動作に蘇るアップデートとなっています。

サードパーティーのキーボードを使っている場合には、これまでほんの少し表示が遅い感じがありましたが、まるでOSに初めから組み込まれているんじゃないかというくらいスムーズにキーボードが表示されます。
反応が悪いからATOKなどを使うのをやめたという人は、もう一度試してみるとそのスムーズさに驚くでしょう。

シェアシートも反応が早くなり、さまざまなExtensionを呼び出す際のほんの少しのラグが解消されています。
Extensionを頻繁に使うヘビーユーザーにとって非常に嬉しい改善です。

かつてiPhoneは「指に吸い付くようなスムーズなスクロールが素晴らしい」と言われてきたことがありましたが、今回の応答性能の向上はそうした『使っていて気持ちのいい体験』として重要なパートを担っています。
Androidとの新機能競争もありますけど、こうした『感触』を大事にして、これからも忘れないでいてほしいですね。

 

改善してほしかった点

・サブスクリプションの契約状況確認と解約

わかりにくい。
サブスクリプションを推進していくのであれば、契約状況の確認と解約の簡易さもセットで進めるべき。

 

・音量ゲージが画面のど真ん中に表示されて邪魔問題

音量を変えるたびに動画やゲームのど真ん中に出てきて邪魔。
Microsoftのイルカより消したい存在。

 

・Bluetoothのコーデックが増えない

AndroidはaptXもLDACも使えるようになったわけですから、そろそろiPhoneもなんとかなりませんか。
aptX LLとかaptX HDとかaptX Adaptiveとか、世の中は進んでるわけですが、iPhoneは蚊帳の外です。
いいかげんAACではキツい。

 

おわりに

まだまだ書き足りないところはあるけど、とりあえず。

新機能一覧はAppleの公式ページを見るといいです。

iOS 12 – 特長 – Apple(日本)

あと、お金がないのでまだしばらくはiPhone 7ユーザーです。

今日の音楽は、見た目からは予想できないハードさを持つスクリーモアイドルPassCode

PassCode – Ray

突然のシャウトにビビります。ひれ伏します。
このシャウトしてるのって2:52でかわいい声を出してる子ですから驚きですよね。

先週新曲が出ました。語彙がアレですけど、これまたヤバいです。

PassCode – Tonight

イロモノで片付けてはいけない個性と完成度。
Babymetalに続く存在になれるでしょうか。今後も楽しみです。

3 COMMENTS

nutty

今回のアップデート不具合の少なさからまみも出来の良さが見えますね
欲を言えば通知センターのベッドタイムという名称は変えて欲しいですね

返信する
丹羽

古めな端末でも善くなってると聞き ありがたいレビューです。ゲームが対応したらアプデします(笑)

返信する
だち

iPhone5SにiOS12入れたら動作が軽くなった気がします。
不具合も少ないし、いい感じです。

返信する

コメントを残す