iOS9.3のDolby Digital Plusサポートに伴いnPlayer FreeもDolby AC-3対応に

すでに一部の方はご存知のことと思われますが、iOS9.3ではDolby Digital Plusによる音声出力がサポートされています。

iOS 9.3 also adds support for playing video encoded with Dolby Digital Plus audio streams with support for multichannel output using the Apple Lightning® Digital AV Adapter.

http://www.apple.com/pr/library/2016/03/21Apple-Introduces-9-7-inch-iPad-Pro.html

ここに書いてあるのはLightning – Digital AVアダプタを使ってDolby Digital Plusの多チャンネル音声出力ができるようになったということ。
MD826
Lightning – Digital AVアダプタ – Apple (日本)

さて、ここまでが既報のもの。

 

nPlayer Free

nPlayer開発元からの情報によると、nPlayerの無料版ではこれまでサポートしていなかったDolby AC-3が追加料金なしに解放されるとのこと。
正確な日程はわかりませんが、おそらく今週にはアップデートがあるんじゃないかなと思います。

さて、時を同じくして、OPlayerという動画再生アプリも突如AC-3に対応をしました。
nPlayerInfuseと同様に正式なライセンス契約を結べた可能性(※1)はありますが、このアプリもDolbyとのライセンス絡みで3年以上悩まされ続けてきた経緯がありまして、それがこのタイミングでの対応となればやはりiOS9.3に絡んだ動きとみてしまいます。
こちらのアプリはすでに無料版もAC-3に対応済み。

ドルビーのライセンスってお高いことで知られていて、なおかつ契約に関しても財務情報を開示した上での審査が必要だったりとかなりのハードル(※2)。
お気軽に搭載したり、ましてや無料アプリに載せるなんてのを独自に行うなんてのはなかなか考えにくいことです。

iOS側でのデコードでAC-3を使えるようになったのかと思い、純正のビデオアプリにAC-3の動画を入れようとしましたが、対応していないとして弾かれてしまいました。
iOSでデコードしているのでないとしたら、nPlayerOPlayerはどのように無料でデコードを実現するのだろうかという疑問が残りますね。
あとDolby Digital Plus準拠だとしたらE-AC-3にも対応してるってことになりますが、そのあたりも不明。

この件に関して最も気になるのはVLCの動きですが、こちらはまったくもって静かなもの。
もしiOS側の対応によってサードパーティーアプリでのDolbyデコードが開放されたのならばもう少し動きがあってもいいはずなんですが。動きが無いってことは違うんでしょうか。
もうひとつ別なアプリでも動きがあれば多少状況が見えてくるんでしょうけど、いまは多分に憶測を含んだ歯切れの悪いものにならざるを得ません。

 

おわりに

そうそう、大事なことが一つ。
nPlayer無料版でAC-3再生ができるようになると、有料版と無料版との差が縮まります。せっかく高い有料版を買ったのに!と考える人も出てくるでしょう。
これは別に開発元の問題ではないし、その分のお金が違うところから出るようになったってだけです。別に怒るようなものではありません。
iOSの機能として実現したならAppleが払ってくれたおかげです。

開発元も将来的には有料版の価格を調整する必要を感じているようですが、いまのところDolbyとの契約によりそれは叶わないと書いておりました。
まぁそうよね。

AC-3再生ができる選択肢が無料・有料アプリを問わず増えてくれるのであれば、これは間違いなく朗報です。
まずはnPlayerのアプデを待ちつつ動向を注視していきたいと思います。
もしAC-3対応アプリを他にも見つけたら教えてくださいね。

nPlayer Free

Newin Inc.
エンターテインメント
評価: –

  
ss1

 

参考

※1 Dolbyのライセンス取得リスト
http://www.dolby.com/jp/ja/professional/licensing/licensed-dolby-manufacturers.aspx#O
2016/4/4現在、OPlayerの開発元olimsoftの名前は無い。
nPlayerのNewein、InfuseのFireCoreは記載されている。

※2 ドルビーのライセンス取得フロー
http://www.dolby.com/jp/ja/professional/licensing.html
なかなか険しい道のり。

コメントを残す