Yahoo!Japan版のIFTTTっぽいアプリmyThingsのこと

IFTTTっぽいアプリをYahoo!Japanがリリースしたよって話。

詳しくはImpressの記事でも読むのがわかりやすい。
ヤフーがIoTの事業者向けプラットフォーム、ユーザーが組み合わせて使えるアプリも – ケータイ Watch

読むのがめんどくさい方はTBSのニュース動画でも。
https://www.youtube.com/watch?v=2ycVtfo47rI

myThings

Yahoo Japan Corp.
評価: –

日本語で使えるお手軽版のIFTTT。
ss1

ちなみにこの記事はアプリのレビューじゃなくただの雑文。あんまり読む必要はない。

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IoT(Internet of Things)というバズワードを据えたわりには、対応機器が少なすぎてイマイチ展望が見えにくいですが、オープンなIoTプラットフォームを目指していくということなので、それなりのリソースを投入してくれそうだなーと期待しています。

“最高気温が高い日は、朝、エアコンを自動的に起動して、快適に目覚められる”
“ユーザーの眠りを感知したら家電製品の電源を切り、節電に役立てる”
“帰宅時、最寄駅に着いたら自宅の照明をつけて、安心して家に帰れるようにする”

これらを実現するには各種センサー、赤外線リモコンが必要になってくるわけですが、Yahoo!はハードを持っていません。
サードパーティーのハードウェアで賄ってもらって、サーバーサイドのみに注力するというのも戦略としてはあるでしょうが、ユーザーと接するハードがないというのは苦しいような気がしますね。

一番手っ取り早いのは各種センサーと赤外線搭載のiRemoconを持つグラモを買収して、自社ブランドで展開するってところですが、グラモはすでにアドバンスト・メディアに買収されていたので残念でした。
アドバンスト・メディアは音声認識のAmiVoiceを持っていて、テープ起こしや議事録作成などの速記会社も傘下に持っている。
ここもIoTに注力する姿勢を見せているわけだけれど、音声認識技術と家庭用のセンサー・リモコンを持っているというのはなかなかいい組み合わせ。

Yahoo!はセンサーやリモコンを自社で持たずに、スマホアプリだけで攻めるだろうか。
スイッチサイエンス社の「myThingsをはじめようキット」というのも来月販売予定ではあるが、物を見る限り同社の「Arduinoをはじめようキット」とほぼ同じで、myThingsとつなげるにはさらに月額500円のサーバー契約も必要になるので、現時点ではギークのオモチャどまりでしょう。
(IRKitを買い取って廉価に提供してくれるとみんながハッピーになれそうなので、そういう方向でお願いします!)

自社サービスのGyao!、textream、Yahoo!ショッピング、Yahoo!知恵袋、Yahoo!天気、ヤフオク、Yahoo!メールが並ぶのが強みではあるが、それ以外ではIFTTTやZapierと比較して優れたところは見当たらない。対応サービスが少ないが故のシンプルさは優位ではあるが。
IoTを掲げているのに、実生活と密接にリンクする、地図、乗換案内、カーナビという重要なポイントを何故か載せてこなかったので、位置情報トリガーが使えないもったいなさ。
あと天気のトリガーに注意報・警報の情報が使えないのも非常に残念。

Yahoo!乗換案内で登録してある路線に遅延が発生したらSlackに投稿するとか、Yahoo!カーナビで目的地に到着したらEvernoteに走行ログを保存するとか、自宅の近くに来たらエアコンを入れるとか、そういうのができるはずなのに、ですね。
バッテリーがもたないのでジオフェンシングなどでGPSを常に動作させたまま利用している人はそう多くないでしょうけど、カーナビなら話は別でしょう。
確実にGPSが動作しているカーナビ使用時を軸に位置情報関連サービスを展開するというのは狙いどころなわけです。

IoT的な展望はまだまだ不透明な状況ではありますが、PepperやAkerunなどとも連携できるようになるそうで、IFTTTとは毛色の違ったものになるのは間違いないでしょう。

しかし現時点でいえば対応サービスの貧弱なIFTTTでしかありません。
日本のサービスらしく、はてなブックマークなんかにも対応しているんですけど、トリガーにできる条件が少なすぎるので、それならIFTTT+RSSでやった方がマシというレベル。

ぐるなびが対応予定らしく、IFTTTとの差別化にはいいですね。(提携してる食べログじゃないのが意外)
クックパッドやYahoo!ニュース、スポーツあたりも対応したら強そう。

ひとつ記憶にとどめておいてほしいこととしては、複数のサービスをつなげることの便利さとそれに伴う情報の流れです。
アレとアレを組み合わせたら便利!というシンプルな発想で、複雑なことができるからIFTTTは人気が出ました。Yahoo!のmyThingsも同じことをやります。
GmailとTwitter、Facebook、Evernoteをつなげるということは、その情報がIFTTTなりYahoo!を経由するということです。
ひとつひとつの独立したサービスがもつ情報は大したことがなくても、それらを1つのアカウントに紐づけして情報がすべてそこを経由するとなると話は別です。
こうしたサービスを使う際には、その会社に囲われる覚悟か、渡しても支障がない情報の選別というのを考えてください。

情報の流れに無自覚なままほいほいアクセス権限を渡すのはよくないよってだけで、水を差したいわけではないです。念のため。

とりあえず、8/1, 2とMaker Faire Tokyo 2015に参加するみたいなんで見に行きたい。

↓これが公式PV。

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