リマインダー/アラームの定番 Due のメジャーアップデート

ものすごく待たされましたが、ようやくiPhone6/6+対応してくれました。

既存ユーザーもそのままアップデートができますが、新機能を使いたい場合は別途アプリ内課金での支払いがあります。

Due 〜 リマインダー、タイマー、アラーム

500円
販売: Phocus LLP
評価: 4.5(387件)
iPhone/iPadに対応

ss1
App

 

良くなった点

端末の大型化に合わせて、右上に配置された新規追加ボタンを使わなくても画面を引き下げるだけで新規追加ができるようになりました。

引き下げるとキーボードが現れて、入力したらエンターキーで確定。そのあと横にスワイプで追加完了。
今まで以上に手早くリマインダーの追加が行えます。


時刻の指定は、これまでがプリセット4つ&ドラムロールを使った指定だったのに対して、ver.2.0ではプリセット4つ&ドラムロール&自由に変更できる±ボタンが出来ました。
+30分などのボタンを使うことで、より素早く時刻の調整ができます。

スヌーズも追加され、いままで1分毎か1時間毎しか選べなかったのが1、5、10、15、30、60分と豊富になりました。
タイマーは一時停止もできるように。
通知音も大幅追加。

左右の上端にボタンが配置されていますが、それらを押さなくてもスワイプで完結できるようになっており、だいぶ操作性が良くなったと思います。

自然言語入力も健在で、他のアプリでは出来ないくらい手軽に時刻指定が可能です。
「佐々木と明日の19時に横浜で食事」って入力するだけで「佐々木と横浜で食事」というリマインダーが19時にセットされます。
とても便利でこれがDueを手放せない理由の一つ。
これは以前のバージョンの解説ですが参考までに。 → リマインダーアプリ Due を加速する、とても便利な使い方

iOSリマインダーからも読み込めるようになりました。

操作性はとても良くなった。
しかし手放しで喜べるかというとそうではありません。

 

良くない点

まずタブで1タップ切り替え可能だったリマインダーとタイマーですが、タブが無くなりました。
サイドメニューで切り替える必要がありますが、2アクションになってしまいました。
一応回避策はあって、上部ナビゲーションバーをスワイプすることで1アクション切り替えが可能になりますが、指を伸ばさなくていいはずのUIでそれを求めるのはスマートなやり方ではないですね。
一応他の案も考えてはいるそうですが。

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タイマーは一時停止機能が追加されたために、途中で止めたタイマーにはリセットが必要になりました。
リセットは右から左にスワイプするだけですが、メインの画面では完了と削除が割り振られており、ユーザーはそれらを判断して行わなければならない。

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画面から色がほとんどなくなりました。

この画面にはよく使う大事なボタンとたまに必要になるボタンが同じ大きさ、同じ色で、等間隔に並びます。
この画面からサッと完了ボタンを押せるかというと、ほんの一瞬でも考えてしまうはずです。

リマインダーの完了ボタンなんてよく使うものは、画面下部に1つだけ配置しておくけばいいのに、通知を完了させようとするだけでこれらの無駄なボタンを見せられます。

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時間をセットする際も、絶対時間と相対時間が並べられていて時間を読み取りにくい。

リマインダーの時刻をセットする際に大切なのは相対時間でしょうか、絶対時間でしょうか?
この例では相対時間の色が濃いので、開発者はそちらに重み付けをしているという証左です。

明日の10時にやるべきことをセットしたい時に、重要視するのは何時間後かではありません。
しかし数時間後にリマインドして欲しい時には逆になり、絶対時間はあまり重要になりません。

同じように重要な項目であれば一方に重み付けをするのではなく、適切な間隔をとって配置し、場合によっては色味を付加すべきです。
ユーザーが努力して読み取る必要があるのは使いやすいと言えません。

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メイン画面を下スワイプしてタイトルを入力し、時間登録画面に変遷した場合には、もちろんすでにタイトルが入力されているはずです。
あとは時間を入力するだけならば、下のスペースにドラムロールを表示させておけばいい。
新規登録画面で削除ボタンは使いませんし、完了ボタンも、シェアシートボタンも使いません。下にあるボタンはユーザーの注意力を奪うだけの存在でしかありません。
画面をシンプルにしようとするあまり、利便性が損なわれている気がします。

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OSの言語設定を日本語と英語で比較してみましょう。

リマインダーと書いてある部分は押せません。
タイマーと書いてある部分も押せません。ただのラベルなんです。
英語ではフォントが変わり、さらに大文字になっているために多少差別化ができていますが、日本語ではパッと見での差があまり感じられません。
押すことのできない余計な文字が増えただけ。
そもそもラベルを付けて分けるほど機能は多くありませんよね。

iOSの言語設定を英語にして使ってみると本来のデザインが多少理解できます。
日本語化で色々失われてますけど、これは翻訳の良し悪しのせいではありません。このちょっとの差がもどかしいですね。

 

まとめ

DUE 2.0はフラット化の悪い面が顕在化したUIでして、画面から情報を読み取るのが面倒になっています。

今回のアップデートで生じた問題の多くは『認知負荷』という単語に集約されると思います。

フラット化の悪いところは視覚情報による区別・重み付けがしにくくなった点です。
大事な情報もボタンも、そうでないものも、同じ色でフラットな情報として提示されたときにユーザーが一瞬で判断をできるか。

完了するためのスワイプ、削除するためのスワイプ、タイマーリセットのためのスワイプ。それらはまったく同じ操作で行われます。
誤操作するようなものを快適とは感じないでしょう。

ユーザーに負担を掛けないで情報を受け渡しするには『認知負荷』を下げることが大事です。
ブログで見出しを入れたり、改行で段落を作るのもそうです。
すべてはユーザーが情報を把握しやすくするため。

それが気持ちいいアプリの必須条件であるように思います。

このあたりの話はJetDoやListTimerというシンプルな操作性のアプリを作ってらっしゃる梅本さんのエントリが参考になります。
iPhone片手操作に特化した無料の爆速ToDoアプリJetDoを作った | うめのんブログ

カーネマン先生に学ぶアプリの離脱率 | うめのんブログ

極力ユーザーのリソースを奪わないこと。
それが大切。

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今回のアップデートで大画面のユーザーでも手軽に入力をできるようになった。
操作はしやすい、いいアップデートだと思います。
だけど今のままでは手放しでは褒められないってことも事実です。

片手間に操作ができるようなスマートさを今後のアップデートに期待したいところです。
いろいろとネガティブなことを書いてしまいましたが、Due好きなんですよ。

リマインダーでどれを買うべきか聞かれたらやっぱりこれをオススメするでしょうし。

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既存ユーザーに追加料金がかかることについて。
別アプリにして買い直しをさせることができたのに、新機能のみをアプリ内課金で提供するという形で、既存ユーザーにも新しいバージョンを使えるようにしてくれたと考えるべきです。
新機能が欲しければお金を払う。単純な話です。

正直言って追加料金を払わなくても今まで通り使えるので、あえて買う必要が無いくらいです。
今後のアップデートも受けられるんだから、不満を感じることでもないんじゃないかなと。

まぁそんなことを考えてます。

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