今年もAppleがデザインの優れたアプリに贈る賞Apple Design Awardを発表しました。
実際に使ってみた感想を書いていきます。
(djay Proだけは触っていません。ごめんなさい)
Complete Anatomy
高精細な3Dモデルを360度自由な角度から観察でき、気になった部位をタップすると説明が出てくる。
無料では骨格と筋の一部を見ることができるが、人体モデルすべてを見るにはアプリ内課金6,000円が必要。一部は会員登録するとアンロックされる。
さすがに6,000円は出せないので、詳細は医学生などのレビューに任せたい。
価格からして一般向けではないが、無料でも骨格を描きたい絵描きさんたちには役立つアプリになるだろう。
また英語であるため、日本においては日本語化されているヒューマン・アナトミー・アトラス(※1)の方がいいだろう。触ってみてComplete Anatomyに大きな優位性は見いだせなかった。
Streaks
Zervaas Enterprises
仕事効率化, ユーティリティ
シンプルなUIでタスクの達成継続を記録できるもの。ヘルスケアとも同期して歩数などのデータを自動で取ってきてくれるが、最大で6つまでしか登録できないのでライトな使い方に限定される。
使いやすいとは思うが、なにか特筆するようなものがあるだろうかという疑問が残る。
完了ボタン、戻るボタン、閉じるボタンの使い分けがあいまいな点もあり、長押しできるところとできないところが混在するなど、デザインとして微妙な点も。もちろんいいアプリではあると思うが、それほどのものだろうか。
この手のものは多数あるのでAppStoreでHabitと検索してみてほしい。
個人的にはDone(※2)というアプリの方がいいと思っている。
Zova – Personal Trainer
基本は無料で使えるが、3週間かけて本格的に鍛えていくコースなどもあり、それを見るには月額960円(7日間の無料体験あり)のプレミアムプランに入ることとなる。
英語のみだが動画でわかりやすく、全体の進行度も把握しやすい。ポートレート/ランドスケープの切り替えも見事で、使い勝手の考えられた良いアプリだ。
Frame.io – Video Review and Collaboration
チームで動画を作っていく人にはとてもいいサービスだと思うが、ソロだとなかなか使いどころがないのが残念だ。
パソコンではWebから使え、1プロジェクト、2GB、5人までと共有できる。よく出来たサービス。
Ulysses
洗練されたデザイン、機能性などどれをとっても最上級によくできたエディタだが、iPhoneで使うだけだと本領を発揮しない。iPadで外部キーボードと共に使うことで本格的な執筆環境として機能してくれるようになるだろう。章立てして長い文章を書くといった場合にはパソコンのエディタよりも使いやすい環境になるかもしれない。
さらにがっつり使い込むひとはMac版も検討してほしい。
デザインや操作性は文句なしに使いやすいが、iPhoneで手軽にMarkdownで書きたいというくらいであればiA Writer(※3)の方がよさそうに思う。
iPadでガンガン文章を書くのであればUlyssesはいい買い物になるだろう。
Chameleon Run
Noodlecake Studios Inc
ゲーム, レーシング, アーケード
よくあるエンドレスラン系ではなく1ステージが30秒ほどの短いコースで設計されており、ジャンプ・2段ジャンプを駆使してゴールを目指すというもの。
ステージは2色に色分けされており、自機と違う色に触れるとやり直しとなる。着地点に応じた色にチェンジしていく反射神経が求められる。ジャンプが右タップ、色変えが左タップ。
操作にはなかなか爽快感もあり、難易度設定も適切でやりこみ要素もある。納得の受賞作です。
Lara Croft GO
SQUARE ENIX INC
ゲーム, パズル, ストラテジー
トゥームレイダーの世界観で、さまざまなギミックを使いこなし障害をクリアしていくというもの。隠しアイテムなどのやりこみ要素もあり、非常に楽しめる。全クリしましたけど、これはじっくり遊べてとても面白いです。2週目もまで遊びました。名作!
INKS.
State of Play Games
ゲーム, パズル, アーケード, エンターテインメント
ボールがそれぞれのインクで染まり、ステージをカラフルに染めていきます。
インクの質感が素晴らしく、また美しい。
ただし、ゲーム性には褒めるべきところは無く、コースの1点を狙って球を弾くということに終始する。ピンボールのだいご味はそこになく、ボールをつないでいく楽しみは消え失せた。うまく一回でクリアできたときの達成感とうまくいかないときの苛立ちだけがある。またiPhone6でも処理落ちするため気持ちよさが削がれてしまうのが難点。
State of Play Gamesのアナログの感触をうまく取り入れるというアイディアは素晴らしい。
見た目は受賞に値するけど、ゲーム体験としては退屈だ。
Auxy Music Creation
非常に出来が良く使いやすい。
iPhone版も先日無料になっており、いまのところアプリ内課金は無い。今後サウンドの追加で課金をしていくようだが、ちゃんと儲かるだろうか。
初心者でも触れるいいアプリです。
音楽系ではPlayGroundかAuxyが選ばれると思っていた。
djay Pro
algoriddim GmbH
ミュージック, エンターテインメント
海外ではSpotifyの2,000万曲がシームレスに読み込めるため、DJをやるにしても日本と海外とでは使い勝手がだいぶ違うんじゃないだろうか。Spotify上陸間近と言われて久しいが、それが実現してはじめて真価を発揮してくれるだろう。
もちろん手持ちの音源でやる分にはいまでも素晴らしいのだろうとは思うが。
Linum – Free Puzzle Game
Joaquin Ramirez Vila
ゲーム, ボード, パズル
軸と棒の組み合わせを回転させるシンプルなパズルゲーム。
いま大学4年生で、メキシコで行われたFacebookのハッカソンでも1位になった経歴があるようだ。
Dividr
Joshua Deichmann
ゲーム, アドベンチャー, アーケード, エンターテインメント
スクロールしてくる障害物を避けて高得点を目指すカジュアルゲーム。
画面をホールドしたまま上にスワイプで自機が左右に分かれる、下にスワイプすると中央で1つになる。この操作だけで障害物を避けていくもの。ムズイ。
ロチェスター工科大学在学。
おわりに
いくつか知らなかったアプリがあったね。
Appleが選んだとはいえ、手放しで絶賛できるものだけではなかったので正直な感想を書いた。
基本的にアプリのいいところを中心に書いていくスタンスだけど、今回のAppleの選出にはいまいち理解ができない。
とはいえ、INKS.もStreaksも大好きで使っておられる方がいらっしゃるので、評価軸が違うだけだろうと思います。
Appleお墨付きですから、ぜひご自身で使ってご判断ください。
前にも書いたけど、個人的にはPlayGround(※4)に賞をあげたい。
参考
※1 ヒューマン・アナトミー・アトラス
※2 Done
無料で使えるのは2つのアイテムまで。無制限にするには480円のアプリ内課金が必要。
達成したかしてないかだけでなく、その回数も記録できるので、例えば筋トレを毎日継続できているかだけでなく、機能は3セットやったなどが記録しておけるし、グラフにも出せる。
Done: A Simple Habit Tracker To Help Build Healthy Habits with Streaks and Daily Goal Tracking
treebetty LLC
仕事効率化, ヘルスケア/フィットネス
※3 iA Writer
いまセール中。Mac版も。
※4 PlayGround
デザインも操作性も、そして奏でられる音楽も1級品だ。初心者がかっこいいサウンドを鳴らせるという点でこのアプリの右に出るものは無いだろう。