姿を消したWebHubというアプリ

いくつものアプリが生まれては消えてゆく中で、またひとついいアプリが去っていった。
WebHubもそんな個人開発のブラウザアプリだ。

Greasemonkeyという機能を拡張するスクリプトが使えることで、パソコンのブラウザのようなカスタマイズ性を持ち、Autopagerizeという次ページが自動的に下部に継ぎ足されるという便利な機能も備えていた意欲的なブラウザだった。

個人的にはURLスキームを利用したアプリ連携が充実していたことが特に気に入っていた。これは特定のURLを踏んだ際に対応したアプリを自動的に開くというもので、YoutubeのURLを踏んだら公式アプリではなくFoxTubeを立ち上げるとか、ニコニコのリンクはiNicoで開くとか、TwitterのリンクはTweetbotで開くなどの選択肢をユーザーにもたらしてくれた。
あまりにも楽しくて、URLスキーム情報を開発者さんにバシバシと送り付けて対応してもらってたので結構連携は充実していたと思う。
途中から不具合が生じて実用するには厳しい状況になってしまったのだけれど、面白いアプリだったのは間違いない。

URLに対応したネイティブアプリを開くというのはiOS9で導入されるUniversal Linksと同じ方向性で、改めて振り返ってみてもそのコンセプトは間違っていなかったのだと確信させられる。無くなってしまったのはあまりにも惜しい。
Universal LinksはURLからネイティブアプリを開いてくれるとはいえ、サードパーティーのアプリで使うことはできないために、自由度ではWebHubに分がある。
URLを踏むと必ず公式アプリが起動してしまうのはやはり使い勝手が良くない面もあるので、WebHubの後発としてなにか面白いアプリが出てくれることを今後期待したい。

ブラウザというのは個人的に鬼門だと思っているジャンル。
作るまでよりも作ってからの方が圧倒的に工数を要する上に、常に進化を求められる。ライト層へリーチしにくいので、数年単位で開発を継続できるような人でなければ手を出すのは厳しい。
WebHubの開発者さんも「流行らせないと維持するのも大変」と振り返られていて、なかなかに難しい問題です。

開発者さんのWebHub削除に関する記事 → iOS9リリースに伴いWebHub等のアプリを削除いたします – 黒毛和牛モモバラ切り落し100g298円

多くのアプリが志半ばで消えてゆく中で、生き抜くというのがどれほど大変であるかを考えさせられます。
個人開発のブラウザはLibingや、Ohajikiなどが頑張っていますが、開発の継続を支えることができるのはユーザーの反応にかかっていることがもっと広まることを願いたい。

WebHub開発者の@wagyu298さんは現在 小説家になろうビュワー のラノベルを作られています。
ラノベ好きな方はぜひ使ってみてください。

ラノベル

Masanori Mikawa
評価: 3.5(158件)

  
ss1

またiOS9向けにも新しいアプリをリリース予定だということで、こちらも楽しみです。

無くなっては困る、そういうアプリがあったら積極的にレビューを書いてあげることで、きっと少なからず貢献できますから、ぜひ愛用者の声を開発者に届けてください。
愛したアプリが無くなってからいくら嘆いてももう遅いのです。

6 COMMENTS

匿名

サイズのおかしいドクロアイコンのメモリークリーンアプリ(Mem Return)の人だ。

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maxi

アプリサイズのことでしょうか?
Mem Returnの1.1MBは小さいですけど、Sysightなんかは0.5MBなので特におかしいということはないと思いますよ。

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maxi

へぇ、これは面白いですね。
気づきませんでした。
ストアのアイコン画像提出サイズは決まっているはずなのでなんでこうなったのかちょっと不思議です。

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神無月 銀

maxiさんもご存知かと思いますが、ネイティブアプリ/対応アプリに振り分ける、Openerというアプリが出ていますね。

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maxi

情報ありがとうございます。
実はもう記事も書いてあって先日のセールに合わせて公開しようと思ってたんですが、ちょっとタイミングが悪くて保留中です。
年内に出せたらいいですね。

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