2019年4月27日の雑記

メールで質問があったのですが、返事を送ってもアドレスが無効と言われちゃうのでここに書いておきます。見てるかわかりませんが。

iPhone 6sで有線LAN接続ができないとのお悩みについて。
【※個人的な返事なので、他の方は読み飛ばしてよいです】

有線接続に重要なのは3つあります。

・Apple Lightning – USB3カメラアダプタ
・有線LANアダプタ
・電源

特に有線LANアダプタが問題で、どれを使えば動くかというのは実際に試してみないと判断できません。(有線LANアダプタに使われているチップによっては「使えるかもしれない」という推測はできますが確実ではありません)
パソコンなどの場合はアダプタを使う際に専用のドライバと呼ばれるソフトウェアが必要になることがありますが、iPhoneにはドライバを入れることができないため、はじめからドライバ不要な製品を選ぶ必要があります。
お買い求めになられたLUA4-U3-AGTは任天堂Switchではドライバ不要のようですが、他の端末ではドライバが必要になっているため、おそらくはそれが原因となって動かないのでしょう。
iPhoneで使う上でどの製品ならドライバ不要なのかは、買わないとわからない賭けでしかありませんので、無駄な出費をしないためには動作報告のある製品を選ぶと良いです。

たとえば私の記事で紹介している↓のAnker製のアダプタですね。
https://amzn.to/2Pp0zCJ
iPhoneでの動作報告があれば他の製品でも構いませんが、私の所有していない製品についてはサポートするのが難しいです。

電源はiPhone付属の充電器で大丈夫です。
もし給電に問題があれば、iPhoneが電力不足の警告を出しますから、それが出ていないのであれば現状では電源に問題はありません。
もし電力不足の警告が出ている場合は、2.1アンペアか2.4アンペア対応のものを使ってみてください。(iPadをお持ちならiPad用の充電器でも大丈夫です)

おそらくは有線LANアダプタを買い換えれば解決する可能性が高いです。
何かご不明なことがあればお気軽にどうぞ。
メールフォームをお使いになる場合はメールアドレスの打ち間違いがないか今一度確認していただけると助かります。

【以上、私信】

これだけじゃアレなんで、先日Twitterでもちょろっとだけ書きましたカミアプのデマ記事について。

iOS版Chromeをターゲットにした不正な広告についての記事が海外から発信されました。
概要としてはITmediaの記事を読んでおくと良いでしょう。米国がターゲットの攻撃なので、日本での影響はいまのところほぼありません。
iOS向けChromeユーザーは特に注意、ConfiantがiOSのユーザーを狙った不正広告を注意喚起 – ITmedia エンタープライズ

ようはiOSのChromeでWebを見ていると、不正な広告によって勝手に違うページに飛ばされてしまうことがあるという問題なのですが、カミアプはそれをねじ曲げて伝えました。

『ランディングページが表示された時点でほぼほぼ攻撃が完了してしまっており、一見何の変哲もないChromeがマルウェアと化し、ユーザーの個人情報を盗み取ってしまうというのだから恐ろしいですね』
とか
『eGobblerはiOS版Chromeの脆弱性を利用し、広告を通じてiPhoneやiPadにマルウェアをインストールしたり、ブラウザを介して個人情報などを盗み出してしまうようです』
と問題を大げさに膨らませ、危険性を声高に叫んでいます。
勝手にマルウェアをインストールするとか、広告のランディングページを表示しただけでユーザーの個人情報を盗み出すといった事実は報告されていません。

この問題を報告したのはConfiantというサイトですが、カミアプはiDrop Newsというサイトの記事を元にして書いています。

iDrop Newsにはこうあります。
“As Confiant notes, eGobbler is benefiting in two ways from the malvertising.
For one, they receive standard advertising revenue from the ads. But they can also deliver malware or steal user data on the ad landing pages themselves. Presumably, more sensitive information is obtained through phishing techniques.”

簡単に訳すとこうです。
『Confiantが記しているように、eGobblerはmalvertising(悪意ある広告)による2つの方法で利益を得ています。
一つは通常の広告収入。また彼らはマルウェアの配信や個人情報を盗むことができる。おそらくフィッシング手法により機密情報を手に入れているでしょう』

別に広告ページを見ただけで個人情報が盗まれるとは書かれていません。
iDrop Newsは“As Confiant notes”と書いているわけですが、こうした指摘はConfiantには書かれていませんでした。
もう少し調べてみると、同様の記事をForbesが書いていましたので、そちらを見ていきましょう。

Forbesにはこう書かれています。
“The payload for the attacker is two-fold as they can earn money from the adverts being displayed as well as using the landing pages to distribute malware or collect user data. ”

簡単に訳すとこうです。
『攻撃者は広告を表示するのはもちろん、マルウェアを配信したり個人情報を収拾するといった2つの方法で金を稼ぐことができる』
iDrop Newsに書かれていた内容と似ていますよね。
このことから、おそらくiDrop NewsはConfiantじゃなくForbesの記事をベースにして書かれたものではないかと考えられます。
時系列的にもForbesのほうが早い。

大元の報告者であるConfiantは技術的な内容と、その影響範囲について語っており、フィッシングについての言及はしていませんでした。
記事内で示された画像がフィッシングサイトに誘導するものであったということだけです。
Massive eGobbler Malvertising Campaign Leverages Chrome Vulnerability To Target iOS Users by Eliya Stein

次にForbesがConfiantの画像を元にして、フィッシングによる『collect user data(個人情報の収集)』に言及しました。
iPhone Users Under Attack As iOS Chrome Security Sandbox Fails

次にiDrop NewsがForbesの記事を元にして、『steal user data(個人情報を盗む)』と表現を変えました。
Massive Malvertising Campaign Targets Chrome Users on iPhone, iPad

最後にカミアプがiDrop Newsの記事を元にして、『ランディングページが表示された時点でほぼほぼ攻撃が完了してしまっており、一見何の変哲もないChromeがマルウェアと化し、ユーザーの個人情報を盗み取ってしまう』と書きました。
使ってる人は今すぐ利用停止!iOS版Chromeの脆弱性を突いた悪質な広告攻撃 | カミアプ

これがインターネットニュースの仕組みです。
誇張し、危険だと騒げばアクセスを稼げます。

こうした馬鹿げた伝言ゲームによってネットニュースはゆがめられています。
気をつけましょう。

 

今日の音楽

ウクライナの女性7人組ユニットDakh Daughters
見た目からしてイロモノ感が溢れていますが、ジャンルとしてはダークキャバレー(そんなジャンルがあるって初めて知った)というものらしく、ダークな世界観と見るものを引き込む表現力が素晴らしい。
音楽というよりは舞台とか映画を見ているのに近い感覚ですね。

Dakh Daughters – Full Performance (Live on KEXP)

ダークウェーブとかトラッドゴス系が好きな人に。
一般受けはしないでしょうけど、私は雑食なもので。

あ、充電関係の記事はGW中には。

1 COMMENT

読者

フェイクニュースの解説とても分かりやすくていいですね。
一次ソースが英語だと中々追いかけきれないのでつられてしまいそうです…

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