Longmanの出版元Pearson Educationから “偽物” と断定されましたので、それに合わせて記事を修正いたしました。
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以前にちょこっとだけ注意喚起しましたが、本物を装った辞書アプリがかなり増え、混沌としてきましたので整理を兼ねて書いておきます。
leo Le
4月23日の記事でも触れていますが、leo Le名義のデベロッパから出ているこのアプリが怪しいと思ったのが発端です。(現在はストアから削除されています)
Oxford Advanced Learner’s Dictionary.
500円
販売: leo Le
iPhone/iPadに対応
アイコンはOALDのものですが、スクリーンショットの内容はOALDじゃない。
アプリ名もよく見ると最後にドットが付いています。
発見当時のサポートサイトにはoxforddictionary.comが指定されており、アクセスしてもサーバーの初期画面が表示されるだけでした。
(現在はOxford公式サイトであるoxforddictionaries.comになっています)
値段が安すぎるし、作りも稚拙。なんだか怪しい。
longman dictionary
次に見つけたのはLongmanの怪しいアプリ。
Advanced Learner’s English Dictionary
1,000円
販売: longman dictionary
iPhone/iPadに対応
こちらはデベロッパ名がlongman dictionaryになっています。
(現在はTIEN MANH PHAM名義に変更)
ブランドって大文字小文字の違いに厳しくって間違えることはまずありません。
前にピザーラの偽アプリを見つけた時もそうでしたが、公式ではまずやらないミスなので、初めに違和感を覚える点です。
こちらはサポートサイトにhttp://longmandictionary.edu.vn/というドメインが指定されていますが、ここにアクセスするとドメインがペンディングされていて使えないことがわかります。
まぁ普通に考えたらありえないことです。
あと250,000語収録でサイズが8.3MBってそりゃ無理です。
使えたとしてもただのオンライン辞書ですね。
まだあったlongman dictionary
そして同名ながら別アカウントになっているlongman dictionaryというデベロッパがもう一つあります。
longman Advanced Learner’s Dictionary Pro
1,200円
販売: longman dictionary
こちらはサポートサイトにhttp://www.english-channel.tv/faq/faq.htmlを指定していたり、http://facebook.comだったり、http://pearsonsupport.helpserve.com/だったりと節操がありません。
ちなみにenglish-channelはロングマンのアプリを出していた会社(以前はEnfourという名義でした)、pearsonsupportというのは、ロングマンを出版しているピアソン社のサポート窓口。
今度はoxford dictionary
これも前述の通りにデベロッパ名が小文字で怪しい感じです。
Oxford Advanced Learner’s Dictionary Stardict Data
1,500円
販売: oxford dictionary
アプリ名はStardict Dataって書いてあるのがあり得ない感じだし、サポートサイトのURLはfifa.com。
雑すぎる。
ここはOxford以外にもCollins, Cambridge, Longman, Macmillan, マイペディア, あとなぜか四季報など節操なく出していました。
(すべて削除されています)
難易度の高いOxford Dictionary
こちらのアプリ、すごく公式っぽく見えますが違います。
Concise English Dictionary New
1,000円
販売: Oxford Dictionary
iPhone/iPadに対応
デベロッパ名はOxford Dictionaryだし、サポートサイトも公式にリンクされている。
ですが、公式ってOxford DictionaryじゃなくってOxford University Pressなんです。
それっぽいけど名義が違う。
知らなきゃ本物と思いますよね。
デベロッパは同じ人?
これらを見ていると共通して胡散臭さが漂うことに気が付くはずです。
最後のOxfordだけは分かりづらいので例外としますが、あとの4件は細かい癖などが似ている。
一番目のleo Leはベトナム語辞書を出している。
二番目のlongman dictionaryはベトナムのドメインを使っている。
三番目のlongman dictionaryは上と名前が共通。
四番目のoxford dictionaryも名前の癖が同じ。
根拠はないですけど、全部のアカウントを見てみると、どうもベトナムの華僑とかそういった人が絡んでるっぽいですよね。
4月ごろから動きを見ていますが、共通点としては、複数のアプリが一気に登録されているということ。
これらの名義からは上で貼ったもの以外にもアプリが大量に存在しますので、お時間のある方はそれぞれのデベロッパが他にどういうアプリを出しているかを見てみることをオススメします。
アカウントごとのアプリ一覧。
leo Le
longman dictionary(現TIEN MANH PHAM)
longman dictionary
oxford dictionary
Oxford Dictionary
これも関係ありそうなアカウント。
Lee Elman ← leo Leからベトナム辞書がこのアカウントに移動している
jetpack joyride ← longman dictionary、oxford dictionaryととてもよく似たラインナップ。
Dictionary App ← これも共通点のあるラインナップ。
無関係な人がやっているとは思えません。
まとめ
Pearson Educationのアカウントから注意が出ました。
※ 偽物にご注意!※
本製品に見せかけた偽物が非常に多くなっています。
“開発者”の確認してください。
「leo Le」となっているアプリは偽物です。
(アイコンの上部分が黄色い)買わないでください。
https://itunes.apple.com/jp/app/ronguman-xian-dai-ying-ying/id597492646?mt=8
ということなので、偽物と断定した形に訂正をいたしました。
おそらくこれらは無断で出しているものだとは思うのですが、偽アプリであるとは断定しません。
直接出版社からライセンスを受けていなくても、別な会社が結んだライセンスをサブライセンスとして提供されている可能性も微粒子レベルで存在しますし。
出版社から出ているのが一番安心できるところですが、物書堂さんなどのようにサポートもしっかりしていて信頼できる会社であれば、出版社以外のものでも大丈夫ですよ。
辞書アプリは高額なものですが、紙の辞書と違って、アプリはアップデートをされなくなれば使えなくなるという危険性があります。
辞書をタイトルで判断するのは間違いです。
どんな会社が出しているかに気を付けないといけません。
多くの会社が参入していますが、長期に渡ってサポートを受けられる会社をしっかりと見極めて、怪しいアプリに引っかからないようにしましょう。
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アプリのアイコンが本物であるとか、アプリ名が本物であることには意味がないです。
いくらでも詐称できます。
サポートサイトのURLが公式であっても信用しちゃいけません。
いくらでも詐称できるんです。
信用できる情報を見極めてください。
偽ブランド品と同じで、よーく見るとどこか一カ所はおかしなところが見つかります。
注意深くないと見落としてしまうかも知れませんが、違和感を少しでも感じたらそれを大事にしてください。
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偽物っぽいアプリを貼ると「リンクまで貼ることはない」ってお叱りが来るんですが、ストアで実際にどういったものかを見て学習しないと次に活かせないと思いますのであえて貼っています。あしからず。
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8/4追記。
leo Le名義のアカウントにアプリを盗まれたという騒動が起きています。
https://twitter.com/ngokakr/status/496168662353448960
盗まれたというアプリはこちら。
PLOELIUM – TCG (トレーディングカードゲーム) 対戦カードゲーム –
上に挙げた辞書アプリは怪しいから落とさない方がいいと注意してきましたが、今回の盗難と偽物の断定によって、より注意すべき存在になったといえます。