ジュースやLINEスタンプを気軽に買えても、100円のアプリ購入をためらう理由

100円なんて別に痛い金額ではない。

ジュースなら160円くらい払うのに、それより安いアプリだとどうして悩むのか?

 

ジュースへの期待とリターン

コンビニには何十種類ものジュースがあります。

失敗したくなければコカ・コーラやサントリーのものを選べばいい。
チャレンジャーはサンガリアチェリオを。

あまりに極端なものを選ばなければ70~80%は満足できるでしょう。
パッケージからも想像ができますし、ほとんどの場合裏切りません。

水分が欲しいだけの人は、無難なものを選ぶはずです。
期待を裏切られることは非常に少ない。

あえて変わったものを選ぶ人は、美味しさよりも話題性・意外性を優先しているはず。
カレー味のサイダーとかジンギスカンキャラメル、ガリガリ君ナポリタン味を買う層です。マズくてもネタになる。

ジュースって期待を上回ったり、下回ったりはしても、金をドブに捨てたような気分にはめったになりません。

 

アプリへの期待とリターン

私たちがアプリに期待するのって5分間の美味しい体験ではありません。
常用できる便利さです。

ジュースのようにその場限りでは困る。
もちろん一発芸系のネタアプリってのもありますが、そういうのに飛び込める人は失敗を許容できる人です。

見た目や機能が良くても、無駄なタップ手順が多いとかで使い物にならず、期待を裏切られることはよくあります。
使い勝手という感覚的なものは、文字情報や画像での説明しようとするとやたら長くなってしまうためにストアに書くのが難しい。
そこでプロモーション動画や第三者の長文レビューが必要とされるのです。

片やジュースにおいては、パッケージから期待し、想像できるものは乖離しません。
『果汁50%のアップルサイダー』
これだけでだいたい想像がつくジュースと同列に語っても仕方ないんです。

ストアの説明文を見ても、私たちはうまく想像が出来ない。
期待値を80に設定してもいいのか、20なのかさえ。

 

LINEスタンプへの期待とリターン

近頃はLINEスタンプが飛ぶように売れているようです。
これはジュースよりもわかりやすい話で、ユーザーはサンプルで見たものをそのままどう使うか100%想像できる

期待値と一致するんです。
ジュース以上に。

期待したものが期待通りに使える。
そりゃ売りやすいし、買いやすい。
シンプルな話です。

 

金額と品質

日常生活の日用品に限って、金額と品質は多くの場合相関関係にあります。
高ければ質は上がる。期待に応えてくれる。

しかしアプリでは500円だろうが2,000円だろうが、相関にありません
高くてもダメなものは多い。

金額でも判断できない。
困った話です。

 

まとめ

新しいアイスが出たから買ってみようというのは、味の期待よりも前に、どんな味かを知りたいという欲求を満たします。
新しいアプリが出たから買ってみようって人は、どんなアプリかを知りたい欲求が優先ですから、多少失敗しても懲りません。
そんな気持ちでアプリを買う人はそう多くないでしょうけど。

普通、使えないアプリをつかんでしまった人は次から慎重になります。
何度でも失敗する危険があるんだから無理はない。
100円のアプリに悩むことはおかしなことじゃありません。

ストアでアプリを選ぶのは難しすぎる。
お金を払って試すには、もはやアプリの量が膨大になりすぎました。
サクラのレビューもね。

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ソーシャルゲームでよくある1回数百円のガチャというのはスーパーレアキャラを目当てにやるわけです。
宝くじの「3億円が当たるチャンス」ってのと同じで、外れても「もう1回!」と思えるような魅力的な景品を用意できるからお金を払う人が絶えない。

私たちは期待にお金を払う。
裏切られ続けたらついていけなくなりますが、ソーシャルゲームの閉じた世界ではうまくそのバランスをコントロールすることが出来ているようです。

けれどAppStoreではそうじゃない。
いくらでもダメなアプリをつかまされ続け、ユーザーは慎重になっていく。

アプリを無料化してユーザーに使ってもらう機会を増やすフリーミアムというのは、こうした状況に対応するための解決策ですね。
(有料のアプリが途中からフリーミアム化してしまうのは既存ユーザーにとっては困ったもんですが、過渡期なのでしかたない面もあります)

Androidのようにアプリの試用が出来るようになればもっと気軽に有料アプリも買えることになるでしょうが、望み薄でしょうねぇ。

そんなこんなでレビューサイトの影響力は今後も増すでしょう。
私も誰かの参考になるようなレビューを書けるように頑張ります。