Bookloverという自炊用のブックリーダーアプリがリモコン対応して便利になっていたので、それの紹介をします。
▼こんな感じ
今更な話題ですけど、2月のアップデートに市販のゲームコントローラー(iCade)に対応と書かれておりまして、「iCadeって何でしょ?」と調べてみたら、よく秋葉原などで売られているiOS対応の安いゲームコントローラーのことでした。
興味があったので即購入して試していたのですが、これがご覧のように、まー便利で。
これまでもBluetoothキーボードに対応した読書用のアプリってのはありましたが、手のひらサイズの超小型キーボードなんてのはキーが押しにくくて使い物にはなりませんでした。
しかしiCadeデバイスなら操作しやすく手のひらサイズ。これさえあれば冬場なんかはポケットから手を出さずにページめくりできちゃうわけですよ。
もちろんiPadでも使えますよ。
読書がはかどる!!
ここだいじ
iCadeでゲームをしようと考えるな!!
まずこれが大前提です。
iCadeに対応しているゲームなんてまずありません。ふるーいマイナーアプリでごくわずかに見つかるでしょうが、あなたの遊びたいゲームが対応しているなどとは夢にも思わないことです。
必ず失望するでしょう。かならず、です。
だから数百円で手に入る読書用リモコンと割り切るべし。
それさえわかっていれば、あなたにとっていいデバイスになるでしょう。
ゲーム用コントローラーがほしい人は別途MFi認証のものを買いましょう。数千円しますけど。
Bookloverの設定を見てみよう
さてBookloverの設定を開くと、外部入力デバイス(iCade or Bluetoothキーボード)を選択できるようになっています。
こんな感じでキーが割り振られていますが、基本的にiCadeデバイスは横持ちを前提に考えられているようで、縦持ちで使う場合には頭の中で90度回転させた配置になります。
Bluetoothキーボードでもいい感じに読めますよ。
Bookloverこうなるといいな
リモコン操作は快適ですけど、しばらく使っていると気になるところも出てきます。
キーアサインを設定できるといいな
iCadeデバイスを買う人ってのは、これでゲームができると勘違いした人か、わかってて買う好事家くらいだと思ってるんですけど、そんなデバイスでもヨドバシなどの量販店で売られています。
なぜかというと、VR用のリモコンとして売っているんです。
スマホをVRゴーグルにセットしちゃうと画面をタップして操作できなくなるのでリモコンが必要になるわけですが、そのVR用のリモコンが(ついでのような感じで)iCadeモードに対応していたりします。
↓こういうのですね。
スティック操作ってゲームでは移動量を調節しつつ操作できて便利なんですけど、iCadeを読書で使うには『倒す→戻す→倒す→戻す』のオンオフ操作の繰り返しになるので、何百ページもめくるのって非常にダルい。ストロークが大きいので疲れてきます。
スティックを倒すよりは、ABXYボタンを押すだけでページ移動ができるようになれば、こういう形状のリモコンではずっと楽になります。
iCadeデバイスがみんなファミコンのようなゲームコントローラーなら十字キーなので楽でいいんですけど、最近ではたぶんジョイスティック型のものを持っている人も増えていると思うので、ここは設定で変えられるようになってほしいところです。
長押し判定してくれるといいな
iCadeデバイスって簡素な実装をしていて、ゲームコントローラーというよりBluetoothキーボードとして振る舞っています。
コントローラー側で←キーを押すとAが送信され、キーを離すとQが送信される。↑キーは押すとWが送信され、キーを離すとEが送信されるといった具合です。
やっていることはまんまキーボードなんですけど、それを方向キーとして共通のキーマッピング規格にしたのがiCadeというわけです。
さて、AとQ、WとEのように、キー操作のオンオフがワンセットで定義されているので、Aの後にQが送信されるまでの間は←キーが押しっぱなしになっていると解釈できるはずです。
現状ではBookloverはそういう判定をしていませんので、100ページめくるには←キーを100回押す必要があります。
これ長押し判定してくれるようになればページシークがだいぶ楽になりそうですけど、どうですかね。
iCade対応アプリならではの強みになると思います。
リモコンだけで操作できるといいな
Bookloverではページめくり以外のキーはほとんど使いません。
なぜかというと、それ以外はリモコンで完結していない操作になるからです。
例えばページシークのキーを押すと、素早くページを移動できる画面に切り替わりますが、そこでのリモコン操作はできず、画面をタップしての操作になります。
本の情報を表示も同様で、それを開くと画面をタップして閉じなくてはなりません。
本を閉じる機能は閉じるまではいいんですけど、そのあとリモコンで別な本を選択して開くことはできないので、やはり画面をタップして操作するはめになります。
画面を触らないで操作するためにわざわざリモコンを使うのですから、リモコンに割り当てる操作はリモコンだけで完結できるものを選ぶべきではないかと思います。
本を閉じるをキーに割り当てるのであれば、ライブラリ画面でもリモコンで操作できるようにするのとワンセットであってほしいなというのが正直なところです。
ページシークの画面でもリモコンの左右キーで操作できるのが自然だと思いますし、メニューを表示した場合はもう一度同じキーを押して閉じられるようにもなっていてほしいです。
また、リモコンを使うというのは本を読むという行為にフォーカスした状況だと割り切ってしまうべきで、本を閉じるよりは、次の・前の本を開くという機能を割り当てるほうが使い勝手はよくなるはずと考えます。
リモコンで次の本を開けるといいな
本を読んでいて、最後のページまでいくと『次の本を開く』という表示が出るんですけど、リモコンでは操作できず、画面をタップする必要があります。
できればそのまま←キーで次の本に移動してほしいですね。
あと実際に単行本のあとがきや奥付まで読むことってそう何度もありません。
本編を読み終わったらすぐ次のエピソードを読みたくなるので、やはり次の本を開くというのも別途キー割り当てができると嬉しいですね。
おわりに
iCadeって規格としては死んでいるんですけど、読書用のデバイスとしては非常に有用なものであるとBookloverが気付かせてくれました。
Bookloverは数ある自炊用のブックリーダーアプリの中で、もっとも綺麗に仕立て上げられているアプリです。
ComicGlassやComicShareは非常に多機能である一方でUIは煩雑になっていますが、Bookloverは初心者でも扱いやすい。
機能面ではSMBストリーミングに対応していないなど、ヘビーユーザーには物足りない面もありますが、ドキュメントピッカーに対応しており純正ファイルアプリ経由でデータをインポートできるという優位性もあります。(FileExplorerなどと組み合わせればSMBドライブから直接ファイルをインポートするなんてこともできますよ)
ちなみに今更な話題をこうして記事を書いたのは、Bookloverの開発元がiCadeについての記事(とてもよい)を公開していたので触発されたためです。
iCadeがどんなものかがしっかり説明されているので読むといいですよ。オススメです。
上の記事でも同じものが紹介されていますが、私がデモで使ったリモコンは、↓このAmazonで500円くらいで買えるものです。(マーケットプレイスの村山商事ってところから買いました)
秋葉原では最近見かけることが減りましたが、あきばお~の数店舗でまだ扱いがあります。(店舗によって600~800円くらいの差がある)
あと、もし既にAndroid用やVR用のリモコンを持っているという人は、iCadeにも対応している可能性がありますから調べてみると良いです。
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AmazonのレビューなんかではiOSで使えないとか書かれちゃってますけど、ペアリング時にはiOSやAndroidなどのモードがあり、その切り替えができていないとちゃんと動きません。
電源入れて動かない場合はまず説明書の確認を。
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非常にチープで壊れやすそうではあるので、そのあたりも理解した上で購入する必要があるでしょう。私が買ったものはバッテリーがいかれてたのか、しばらくすると充電できなくなったので、分解して新しいリポバッテリーを付け直しました。
このリモコンは、物理スイッチを切り替えることで音楽などの曲送り・曲戻しなどにも使えます。
音量調節もできるので、カメラ用のBluetoothシャッターリモコンとしても使えますよ。
チープではありますが、意外と使える便利グッズだったりします。
Bookloverと共にどうぞ。
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で、このリモコンにイマイチ満足できなかったので、他のを試してみたら良いリモコンに出会えたので別記事を書きました。
もうちょっといいリモコンが欲しいって人はそちらの記事も読んでください。
→ 【商品レビュー】iPhone/iPadで、読書だけでなく動画再生にも便利なBluetoothリモコン MOCUTE-039
テスト環境
この記事は以下の環境に基づき書かれたものです。
・iPhone 7, iOS 11.4.1
・Booklover v2.6.2
2018/08/10
今日の音楽
音楽紹介がしたいのに書く場所がないから強引に差し込んでいくコーナー。
今日の音楽はシカゴのポップパンクバンドBelmont。
Belmont – Overstepping
手数の多いドラムがたまりませんね。
曲を書いているのもドラマーだそうです。
この曲が収録されたEPはBandcampにて5ドルで購入可能です。
今月、彼らの1stアルバムがリリースされたばかりなので、気に入った人はそちらもチェックしてください。