自炊(自分で本をスキャンすること)のリーダーアプリといえば、長きにわたってi文庫とComicGlassが圧倒的な支持を集めてきた。
しかしi文庫はドワンゴに買収され開発の展望は見えない状況になり、ComicGlass 1強の時代が到来していました。
新しい勢力としてBookLoverがこれまでとは違ったアプローチで開発をしており、UIの使いやすさでなかなか素晴らしい仕上がりとなってきているのだが、機能的な面でいうとやはりGlassに軍配が上がるといった状況。
ComicShareはGlassに先んじてSMBストリーミングを実装するなど、登場時から期待のアプリでありましたが、ここ1年はアップデートがされていませんでした。しかしここにきていきなりのメジャーアップデート。
しかもバージョンが2つ上がったんじゃないかってくらいのとんでもない変わりっぷりです。
機能面ではGlassを凌駕したと言っても過言ではないその内容を説明していきたいと思う。
ストリーミングの快適さ
ストリーミングで本を読むというのは、パソコンなどに入っているファイルをiPhoneに転送保存する作業を無しに直接読み始められるという便利な機能。
iPhoneの中にたくさん本を入れておく必要がなく、パソコン内にある何百冊という本を直接読み始められるのだから、一度経験してしまうともう旧来の方法には戻れなくなる。
サーバー上にあるzipファイルでもサムネイル表示をしてくれるために目当ての本がとても探しやすい。
しかもサムネイル表示はパッパッパッと軽快に読み込んでくれるので、事前にキャッシュを作っておくなんてことも気にしないで済む。
本自体の読み込みもGlassより速く、連打してページめくりをしても待たされることがないのがまた嬉しい。
あとComicGlassの場合はストリーミングを使うのにアプリ内課金の240円が必要ですが、ComicShareは追加料金がかかりません。
対応フォーマットの豊富さ
コンテナ
ComicGlassはzip、rar、pdf。パスワード付きrarは非対応。
ComicShareはzip、rar、pdf、7zip、lzh、tar、epub。パスワード付きrarに対応。
画像フォーマット
ComicGlassはjpg、png、gif、bmp、tiff。
ComicShareはjpg、png、gif、bmp、webp。アニメーションGIFに対応。
txtやrtfの縦書き横書きでの読書もできます。
7zipやwebpなどはGlassにも要望が上がっていましたが、先送りされてきたものなので嬉しい人もいそうです。
またテキストファイルも読めるということで、いままでi文庫と使い分けてきた部分が解消されていくかもしれませんね。
対応サーバー
ComicGlassはSMB、FTP、WebDAV、Dropbox、OneDrive、Google Drive、HTTP。
ComicShareはSMB、FTP、WebDAV、OneDrive、Google Drive、SFTP、SCP、FTPS。
それに加えてiOS8からの新機能Document Pickerにも対応していますので、iCloudやDropbox、Boxなどのアプリを介したクラウドアクセスもできるし、Documents5などに保存してあるファイルにもアクセスできます。
Google Driveに置いてあるデータをストリーミングで読むことだってできてしまう。
セキュリティ
ComicGlassは任意のフォルダにパスコードロック・TouchIDを付けられるだけでしたが、ComicShareは起動時、サーバ選択、ローカル内のフォルダにパスコードロック・TouchIDを設定することができます。
共用のiPadなどを利用している場合には嬉しいですね。
その他の特徴
閲覧履歴・ブックマーク・しおりをiCloudで他の端末と同期ができたり、ローカルだけでなくサーバー内までファイル検索する機能があったりと、本当におそろしいほどの飛躍を遂げました。
タッチ操作のカスタマイズとかBluetoothキーボードの操作も他にはないほど細かく設定できます。
もう一台のiOS端末をリモコン代わりに操作できる機能なんかもあるので、iPadを固定したまま手元のiPhoneで操作するなんてことが簡単にできるかもしれません。
ページめくりにはスライドアニメーションとめくりアニメーションとアニメーション無しが選べます。
スライドだと見開きなんかを見るときに境目の部分までつなげたまま見ることができるのもいい。
ほかにもまだまだ触れたいところはあるけど、長くなりすぎるのでストアで確認してください。
総評
ComicGlassを意識した上で、機能的に多くの場面で上回ってみせた今回のアップデートは称賛に値する。
本当に驚くべき努力だと思う。
しかしUIの面ではComicGlass以上に煩雑であり、とっつきにくいのが難点。
設定アイコンが右上にあったり右下にあったりと決してユーザーに優しいものではない。
設定画面の複雑さは投げ出したくなるほどだ。
しかしそこを乗り越えてでも使いこなしたいと思えるほど機能が飛び抜けている。
これでもかと盛り込んだ機能をどう整理して見せるかが今後の成長のポイントになってくるだろう。
機能での真っ向勝負を挑んできたComicShareはGlass派のユーザーにとって無視できない存在となるでしょう。
誤解されそうなので付け加えとくと、ComicGlassが劣ってるという話ではなくて、機能面の話です。
慣れの問題も大きいけど操作性はGlassの方が上だったりしますのでね。
glassのストリーミングは有料だって書いてるけど
そもそもshareはアプリ自体が有料じゃん
Glassは本体360円+ストリーミング追加課金240円。
Shareは本体480円のみという差ですね。